The 10th The Japanese Society for Dementia Care

●倫理規定・倫理綱領

日本認知症ケア学会 研究発表等に関する倫理規定
(目的)
第1条  この規定は,日本認知症ケア学会大会等(以下「学会大会等」という.)における会員の研究発表が,質の高い認知症ケアを実現し,認知症高齢者および介護者等の生活の質を高め,もって豊かな高齢社会の創造に資するために,別に定める研究発表に関する倫理綱領(以下「倫理綱領」という.)に基づいて,適正に行われることを目的とする.
(倫理委員会の設置目的)
第2条 第1条に定める内容を達成するために,倫理委員会を設置し,次の業務を行う.
1 本規定及び倫理綱領の改廃に関する審議
2 学会大会運営委員会における倫理綱領遵守に関する助言
3 会員の倫理向上に関する提言
4 理事長からの諮問に基づく倫理綱領違反に関する審議
(倫理委員会の構成)
第3条 倫理委員会は,理事長の指名により,委員長1名及び委員3名以上5名以内をもって構成する.
2 委員長及び委員の任期は3年とする.
3 委員長及び委員の再任は妨げない.ただし,2期を超えることはできない.
(倫理委員会の運営)
第4条 倫理委員会は,必要に応じて委員長が招集する.
2 委員会は委員長及び委員の合計人数のうち,半数以上の出席をもって成立するものとする.
3 委員会は,出席委員の過半数の賛成により決議を行う.
4 委員会は,会議の開催が困難な場合には,書面による連絡と意見の聴取によって代えることができる.
(倫理委員会の業務)
第5条 第2条第1項による本規定及び倫理綱領の改廃については,倫理委員会の審議結果を理事会において提案し,理事会での審議の上,その可否を決する.
2 第2条第2項による学会大会運営委員会における倫理綱領遵守に関する助言については,委員長または委員の中から1名以上が学会大会の運営に関する委員会に参加し,プログラムの作成等について助言等の必要な業務を行う.
3 第2条第3項による会員の倫理向上に関する提言については,理事会からの審議付託または委員長並びに委員からの発議により審議を行い,結果については理事会に対して報告および提案を行う.
4 第2条第4項による倫理綱領違反に関する審議については,学会大会等における研究発表において倫理綱領に反する行為があった場合若しくはあると疑われる場合に,理事長から諮問を受けて行われる.委員長は諮問を受けた日から3ヶ月以内に審議の結果を理事長に報告しなければならない.なお,委員長は,審議結果について過半数の賛成が得られた内容の他に委員からの意見がある場合には,それを付記して報告しなければならない.
附則 本規定は,平成19年4月1日より施行する.


日本認知症ケア学会 研究発表に関する倫理綱領
日本認知症ケア学会研究発表等に関する倫理規定第1条の規定に基づき,本倫理綱領を定める.
  • 1 適用の範囲
     本倫理綱領は,日本認知症ケア学会が主催する学会大会等における研究発表(講演・講義やシンポジウム等を含む)について適用されるものです.ただし,各機関や専門分野において,より厳密な倫理規定を適用している場合には,その規定を優先します.

    2 学術的な倫理的事項
     学術的な研究発表には以下のような倫理的事項が適用されます.発表者は自らの責任において,本倫理綱領またはそれに代わる倫理規定を遵守する必要があります.

    (1)引用の明確化
     研究発表において,他人の研究成果や著作などの記述を使用する場合には,必ず原著者名および発表年を明記し,その部分が引用であることを明らかにしなければなりません.引用が明確にされていないと「剽窃」であるとみなされる可能性があります.
     また,書籍等から,図・表・写真などを使用する場合にも原典を明確にしなければなりません.とくに図・表・写真をそのまま複製使用する場合には,ほとんどの場合に出版社及び著者の許可が必要ですので,注意が必要です.引用許可が必要な可能性がある場合には,個々の発表者が許諾の必要性を確認し,必要に応じて許可を得る必要があります.

    (2)データの捏造の禁止
     データを捏造することは絶対にしてはいけません.捏造が露見した場合には,研究者・専門職としての信用を著しく損なう事態となります.データの部分的な改ざんも捏造とみなされますので注意が必要です.いったん研究の対象としたデータの一部を削除したり,仮説に整合したデータや対象者のみを選択的に示したりする場合には,合理的な基準を明示しなければなりません.

    3 研究参加者に対する倫理的事項

    人を対象として,データ取得を行う研究においては,とくに以下のような倫理的配慮が求められます.

    (1)参加者の同意
     研究の対象として参加する人には,研究開始前に,本人またはその代理人に,研究の目的・内容,予想される結果などについて説明を行い,同意を得る必要があります.その研究がサービス内容の改善など,業務に伴って行う内容であっても,研究発表を行う場合には,説明と同意が必要です.研究への参加は自由意思に基づいて行われるものあり,同意を得る際には,参加の強制をしてはいけないのは言うまでもありませんが,自由意思を確保する努力を払わねばなりません.そのため,同意をすることもしないことも自由であること,同意しなくても不利益を被ることはないこと,いつでも同意を取り消せることを明確に説明しなければなりません.

    (2)データの取得を行う機関等の長の承諾
     データの取得を介護サービス等の提供機関などにおいて行う場合には,そこで行われるサービスに関して責任を負う者(施設長,管理者など)の許諾を得なければなりません.

    (3)参加者に対する必要以上の負担,苦痛,不利益の禁止
     人を研究対象とする研究においては,対象となる人に不必要な負担をかける,または苦痛や不利益をもたらすようなことが予見される研究計画は変更が必要であり,そのまま実施してはいけません.計画にはない予想外の負担,苦痛,不利益などが生じることもあるので,安全確保のための情報は常に把握し,危険性が生じた場合には研究を中止しなければなりません.

    (4)秘密保持
     取得したデータは,第3者に漏らしたり,不用意に紛失したりすることがないように,保管についてあらかじめ方針を定めておき,細心の注意を払う必要があります.

    (5)発表の際の個人情報等への配慮
     研究成果の発表において,事例など個人ごとのデータを用いる場合には,個々の対象者が特定されないような配慮をしなければなりません.個人名を伏せるのはもとより,地名,利用機関名,生活歴の記述のうち学歴や職業歴等の個人を特定可能な情報についても,公表については配慮しなければなりません.

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