大会長挨拶

COVID-19の猛威の影響を受け,第22回日本認知症ケア学会は諸般の事情を考慮し,WEBによる開催となりました.現地開催のメリットは大きいのですが,WEB開催は遠方への移動の必要もなく,参加しやすくなることも考え,新時代の学会開催方法の事例ともなり得ると考えています.
ひとりでも多くの学会員や認知症ケア専門士をはじめ,認知症ケアに関係される皆様がCOVID-19に負けず,認知症ケアの発展に力強く寄与されんことをご期待申し上げます.
大会テーマは「いつもどおりの生活と認知症を考える」です.認知症になるとご近所の人とのおつきあいが疎遠となり,差別・排除され孤立するなど,いつもどおりでなくなっていく現実を目にすることがあります.そして,日常の確かさを少しずつ失っていくことで,不安や心配,自信喪失,さみしさ,切なさ,苦しみなどを募らせてしまいます.
いつもどおりの生活ができてこそ「その人らしい日常」といえるのではないでしょうか.その人らしいいつもどおりの生活が続けられるような「認知症ケア」を開発・進化,そして深化させる必要を強く考えます.そのミッションを私たち日本認知症ケア学会員のみならず認知症のケアに関係するすべての人,機関等が共に担い,追及していくことを実現できる大会にしたいと願っています.皆様方のご協力をいただければ幸いです.
第22回日本認知症ケア学会大会
大会長 西 元 幸 雄