一般社団法人日本認知症ケア学会 第15回日本認知症ケア学会大会
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介護保険制度開始の年に生まれた日本認知症ケア学会の学術集会も本大会で15回の節目を迎えます. いまや会員数は23,000人に達し,わが国の学術団体のなかでは最大級の学会に成長いたしました. この15年間の学会の歩みは,まさに介護保険制度との歩みでした. 本大会では,認知症ケアを地域あるいは社会で支える仕組みづくりが軌道に乗りつつある現状を踏まえて,もう一度認知症ケアとはなにかを考えてみます. その意味で本大会の総合テーマを「後世への認知症ケア」としました. 1972年有吉佐和子著の「恍惚の人」は,認知症ケアを社会問題として世に知らしめた最初の小説でした. 当時の女性中心の在宅ケアは,1980〜90年代の病院・施設ケア,そして2000年の介護保険制度下での保健・医療・福祉が協働する地域包括ケアと大きな変遷を遂げました. 先人が試行錯誤しながら私たちに残した認知症ケアは,いまのケア体系に大きな影響を与えています. これまで培った認知症ケアの理論と実践を後世に伝え,それを礎に,さらなる認知症ケアの発展のため,過去の認知症ケアから現在のケア,そして未来の認知症ケアを考えていきたいと思います. この時代の認知症ケアに携わった者として,次の世代に残すもの,それが内村鑑三の「後世への最大遺物」になり得るかは疑問ですが,私たちの時代の認知症ケアを後世に伝え残す意義は大きいと考えます. この大会を機に,後世への認知症ケアをいっしょに考えてみましょう.
第15回日本認知症ケア学会大会
大会長 今 井 幸 充